
俳句の特徴に、季語・季題とよばれる季節の言葉が入り、日本固有の文化・情緒・自然を表現する大きな役割をしています。
季語は、自然と人々の生活との溶け合いのなかから生まれてきたもので、子どもたちが季語に親しめば親しむほど、日常は自然のなかにより深く入っていきます。
毎月ごとに俳句を一句選び、今月の俳句として紹介します。
毎朝、クラスのみんなで音読して、身近な自然を詠んだ俳句に親しみ、自然と人とのかかわりを大切にする心を育みます。
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今年も、小林一茶おじさんの俳句を通し、改めて日本の自然の美しさや、けなげに生きている身近な生き物たちへ寄せる思いに触れてみましょう。
幼い目と耳とこころで、そんな日本のよさに気づいていけたらと願っています。
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7月の俳句
「うつくしや 障子の穴の 天の川」
一茶
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梅雨明けを前に、プールあそびや水あそび・泥んこあそびを楽しみ、夏の暑さにすっかり慣れた子ども達。
そんな梅雨の晴れ間の夜、両手を双眼鏡のように目に当て空を見上げて見ると・・・。東の空に北から中天を通り南の地平線にかけ、ほの白い雲のような星の集まり「天の川」がくっきりと。
七夕の織姫星(こと座のベガ)・彦星(わし座のアルタイル)が「天の川」を挟んでみられ、白鳥座のデネブとともに夏の大三角形が見つかります。
現代では、障子からのぞく機会はないかもしれませんが、無限の宇宙へのゆめが広がる夏の夜空が美しく、七夕のお話やまつわる星を探し、梅雨明けを待ち遠しく思う7月です。
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6月の俳句
「かたつむり そろそろのぼれ 冨士の山」
一茶
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新緑の美しい季節になりました。みんなで工夫し取り組んだジャンボこいのぼりが映える爽やかな日もあれば、梅雨時のさめざめと雨が降る日もある6月です。
この季節、身近なかわいいいきもの達もイキイキと活発に活動し始めます。
子ども達も新しい環境に少しずつ慣れ親しみ、自分なりの目標やなりたい自分を見つけあそびに活動に、積極的に取り組み頑張ろうとしています。
そんなみんなとあの歩みののんびりなかたつむりさんへ、ゆっくり自分のペースでいいんだよ。大きな夢をもって一歩ずつ前へ前へ歩んでいこうね・・・。
一茶おじさんが励ましています。
一茶おじさんだけでなく、お家のみなさんも、幼稚園の先生たちも、みんなを応援する緑豊かな6月です。
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5月の俳句
「ゆさゆさと 春が行くぞよ 野辺の草」
一茶
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桜の花の季節に代わり木々が芽吹き、青葉若葉の優しいみどり色の葉が広がり、活き活きとしたエネルギーを感じます。
道沿いの野の草花も、ぐんぐん青々と育ち、5月の心地よい風に吹かれ、ゆさゆさとリズムに乗るように揺れ、春のパワーが伝わってきます。
無限の力を秘めた幼稚園の子ども達に、「さぁ、行くぞよ!」と、励まし応援メッセージを送ってくれる、みどりの草と一茶おじさんです。
豊かな緑いっぱいの5月のお日様の下で、友だち誘って元気に体を動かしあそぼうね。
誰とでも仲よくなれ、何でもやってみたい、楽しい幼稚園の5月です。
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4月の俳句
「日本は 這入り口から 桜かな」
一茶
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お子様のご入園・ご進級おめでとうございます。
子ども達の新しい門出を祝うような満開の桜です。
新しい環境にワクワク・ドキドキの子ども達の可愛い笑顔に寄り添うよう、優しく温かく見守り、励ますように咲く幼稚園の桜です。
4月に年度が替わる日本においては、学校だけでなく、社会全体が新体制でスタートです。そんな門出・出発の時期に咲く桜は、まさにこれからを励まし、心を後押しするお祝いの花です。桜の美しさ・可憐さに癒され一歩前へ進み出す4月です。
季節の美しさ・面白さを詠み込み、言葉のリズムを楽しむ「世界で一番短い詩」と言われる日本の俳句。そんな中、小林一茶の俳句は、子ども達にも分かり易い身近な自然の美しさや生き物への優しいまなざしを感じる素朴な俳句が多く、毎月、親しんでいきたいと、紹介していきます。
自然に寄り添って生きる幸せ・喜びを味わっていきたいと願っています。
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