
俳句の特徴に、季語・季題とよばれる季節の言葉が入り、日本固有の文化・情緒・自然を表現する大きな役割をしています。
季語は、自然と人々の生活との溶け合いのなかから生まれてきたもので、子どもたちが季語に親しめば親しむほど、日常は自然のなかにより深く入っていきます。
毎月ごとに俳句を一句選び、今月の俳句として紹介します。
毎朝、クラスのみんなで音読して、身近な自然を詠んだ俳句に親しみ、自然と人とのかかわりを大切にする心を育みます。
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今年も、小林一茶おじさんの俳句を通し、改めて日本の自然の美しさや、けなげに生きている身近な生き物たちへ寄せる思いに触れてみましょう。
幼い目と耳とこころで、そんな日本のよさに気づいていけたらと願っています。
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5月の俳句
「麦に葉に てんてん舞いの 胡蝶かな」
一茶
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花の季節が終わり、山々の木々や雑草・花壇の草花にも、青葉・若葉が萌える活き活きとした季節になりました。
幼稚園の子ども達も園生活のリズムを少しずつつかみ、クラスの先生がみんなの基地になりながら、幼稚園の中に「だいすき」「おきにいり」のあそび・場を見つけ、エネルギーがあふれるように、あっちこっち走り回っています。
まるで、羽化したばかりの蝶が、青々とした麦畑や、色とりどりの花が咲いた新緑の若葉をあっちにこっちに舞っているようで、楽しそうです。
色んなことをやってみようよ!
たくさんの友だちに声をかけ、誘ってみようよ!
色とりどりの鯉が泳ぐ園庭で遊んでいると、元気を後押ししてもらえるみたいですね。
友だちとなかよしになって、どんどんあそびが広がる5月の幼稚園です。
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4月の俳句
「五十年 見れども見れども 桜かな」
一茶
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芥見幼稚園が創立し55年。芥見第二幼稚園が創立し50年。苗木だった桜は毎年の春、その美しい花を咲かせ、夏、青々と葉を広げ、秋に紅葉しやがて葉を散らせ、冬には開花の時をじっと待つ。そんな一年を繰り返し、55年。すっかり大木に育ち、老木の風格さえ感じられます。見上げれば、やはり今年も溢れるように咲き誇る桜です。
そして今年のスタート!春、4月を迎えました。
大人も子どももそれぞれの新たな環境への緊張を、和らげてくれる桜です。緊張しながらも、「がんばってやってみよう!」と意欲満々。晴れ晴れとした気持ちを後押ししてくれる桜です。
私たちにとって区切りの春に咲き、不安と緊張に寄り添うよう咲く優しいピンク色の桜です。
子どもたちに安らぎと励ましで見守ってくれる花・桜です。
IT化が進み時間や手間がはぶけ、遙か遠く謎だらけだった世界にも足を踏み入れる時代になっても、小林一茶が生きた時代と変わらない日本の四季の美しさ・不思議さと、けなげに生きるものを愛おしむ心に、俳句を通し触れたいと願っています。
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